フェラーリは5月9日(木)、イタリア・フィオラノで実施したテストの中で、新しいスプレーガード(水飛沫防止用のタイヤカバー)システムを試した。
テストで撮影された写真では、レギュラードライバーのシャルル・ルクレールの弟アーサー・ルクレールが2022年マシンSF-75をドライブする姿が確認できる。ただ通常のSF-75と大きく異なるのがタイヤ周り。タイヤを包み込むようなスプレーガードが装着され、その前方にはふたつの四角い穴が空けられた。タイヤ側面と後方は完全にカバーで覆われた。
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そしてスプレーガードを装着した際の後方車両の視界を確認するため、アーサー・ルクレールの後ろを、チームのリザーブドライバーであるオリバー・ベアマンが2024年型のSF-24で走行した。
このテストはFIAが主催したモノで、フェラーリの“フィルミングデー”としてはカウントされない。
FIAはウエットコンディションでの後続車の視界を改善する解決策を見つけるべく、昨年は雨のシルバーストンでテストを実施。最初のバージョンのスプレーガードを試した。
当時はテスト時の写真は公開されたなかったが、FIAはフロントタイヤとリヤタイヤの両方に部分的なカバーを装着するというソリューションの3Dレンダリング画像を公開した。
そのテストはメルセデスでリザーブドライバーを務めるミック・シューマッハーが担当。マクラーレンのオスカー・ピアストリが後方を走る役目を担った。ただこの最初のテストでは、マシンから発生する水煙のレベルに大きな違いはなかったという結論が導き出された。
FIAのシングルシーター担当ディレクターであるニコラス・トンバジスは昨年、motorsport.comに対して次のように語っていた。
「スプレーガードはホイールのほとんどを覆っていなかった。私はかなり懐疑的で、重要な結果は得られないだろうと想像していた」
最初のテストを終え、FIAはより攻めたソリューションを持ち込むことを約束し、今回フェラーリと共にフィオラノでテストした。
昨年トンバジスは、上手く機能するスプレーガードを開発することがいかに複雑かを語っていた。
「このプロジェクトを開始して、CFDシミュレーションをかなり行なったが、ただ何かを装着して走り出せば完了というような単純なモノではないことはすぐに理解できた」
「マシンの性能をあまり失いたくないし、空力をあまり台無しにしたくはなかった。しかし避けられない部分もある」
「この大きな泥除けにかかる実際の空力的な負荷は、完全に覆う場合、かなり大きな動的負荷になる。時速300km/hで吹き飛ばないようにするためには、アップライトの支えはかなり頑丈でなければならない」
なおフェラーリは翌5月10日(金)にフィルミングデーを活用し、次戦エミリア・ロマーニャGPに向けた新しいエアロパッケージのシェイクダウンを行なう予定だ。
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